YOKO'S SCENE

画家・井上よう子のNEWS。
清貧の画家、石井一男さんの本

土曜日、石井一男さんの展覧会のオープニングそして画集と、彼について書かれた本のダブル出版をお祝いする会がありました。
みんなでお惣菜を持ち寄ってのお祝い…私も3品ほど車に積み込み駆け付けました。
石井さんと知り合ったのは、ギャラリー島田の前身・海文堂ギャラリー。もう17年前になります。
清貧の画家と言う言葉はこの人の為にあるような…、いえ、画家とか画壇とかからは全く遠いところにあって、ひたすら独学で、発表することなども考えずに描いてこられていた…、
その、内から沸き起こるイコンのような女神たち…は、もし島田さんと出会わなかったら…、世に出る事はなかったでしょう。

10数年前、私の個展中石井さんが来られたときに、島田さんがお金のない二人にランチをご馳走して下さって、海文堂(今も元町にある書店の2階奥にギャラリーがありました)裏の小さな洋食屋の、木の階段を上った2階窓際に3人で座り、ハヤシライスを食べた事がありました。私は30代前半、石井さんと島田さんは50歳位だったと思います。
石井さんは自分からはけしてしゃべらず、でも穏やかに話しは聞いていて、こちらから尋ねると小さな声で話してくれて…、島田さんがしゃべり、私がしゃべり、その3回に一度位石井さんが少し声を出すといった具合で、何だか時間が止まったような、ゆっくりと穏やかなひとときでした(もちろんそんなに長くはギャラリーから離れてられないので、実際には1時間位だったはずですが)
あれからどんどん絵が売れるようになられて、大阪や東京でも声がかかって個展されるようになっても、あの石井さんの寡黙な穏やかさと、質素な暮らしぶりは変わりません。必要に迫られて、話しをする(声を出す)事は少し増えた感じですが。

今回、講談社から出版された「奇蹟の画家」は、そんな石井さんの画廊との出会いや島田さんの事、石井さんの絵にまつわる数々の出会いや、絵が起こした感動のエピソードなどを、後藤正治氏(ノンフィクション作家、神戸夙川学院大学教授)が書いた本、私も是非読んでみたくて買ってきました。
画集「絵の家」も第二画集「絵の家のほとりから」も好評の石井一男さんの展覧会は

12月12日(土)〜27日(日)12:00−19:00 最終日は17:00
ギャラリー島田
神戸市中央区山本通2−4−24 リランズゲートB1F
TEL・FAX 078 262 8058

です。
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