2008.03.05 Wednesday
奇跡が起こりました〜色々な思いに感謝の涙・・・
兵庫県芸術文化協会のTさんという方から、先日お電話がありました。
「今年の‘亀高文子記念‐赤そう社賞’に、井上よう子さんが決まりました」 最初は何のことかわかりませんでした。でも、兵庫県下で第一線で活躍する女流洋画家を顕彰する賞で、学識経験者等による選考委員会の審議を経て決定される賞で、私を推薦して下さった方があり、他の選考委員の票も集まり決定したとのこと。信じられない思いで、感謝を述べたあとも、「授賞式は3月26日(水)ですが大丈夫ですか?」の問いにあわててスケジュール帳をめくる手が震えていました。 (記者発表までは公表は控えてくださいとのことで、今日までここに書くのをこらえていました) こんな公的受賞など無縁だと思っていました。 才能あふれるタイプではなく、とにかく努力あるのみ・・それに、 素晴らしい作品で納得の受賞される方もあるけれど、権力に媚びることで受賞されるのも目の当たりにし、無所属に帰した私でしたし・・ この20年間、自分ではどうすることもできない色々な困難に見舞われ、本当にもう絵を描き続けるのは無理かもしれないと、泣いた日々もありました。 そんな中、「努力は必ず報われるから」と本当に厳しかった恩師・三尾公三先生から頂いた言葉を胸に、生活を支える仕事と、3人の子供らや主人や父のことも精一杯にしながら、時間も場所も限られた中、何とか努力だけは人一倍してきました。(それでも心のどこかで「報われない努力もある」とも思っていました。) 自分の絵が、人の心に何かを響かせることができた、役にたてた・・ということがあるたびに、またそれを励みに頑張れました。 努力を続けたことが、ちゃんと見て頂けて、こんな奇跡としか思えない賞というご褒美(兵庫県下で活躍されてる女流洋画家は、沢山おられるし、その中から私を選んで頂けたのは奇跡としか思えず・・)いただけたことに、とにかく感謝と感激で・・「努力は必ず報われる」と言うことを、教える学生達や、自分の子供達にも、心から言って励ましてやれる気がしています。 そして、この賞を頂けたのには、無名でただ必死で絵を描き続けようとしていた私に、19年前に出会ってから、定期的に展覧会の場を与えて支援下さった島田夫妻(旧・海文堂ギャラリーから現・ギャラリー島田 オーナー夫妻)の存在なくしては考えられない事、お二人への手紙をしたためながら、涙がとまらなかった私です。 お二人ともとても喜んで下さって、とりわけ今、大病と闘われる奥様が、授賞式にお二人には出ていただけたら嬉しいとの申し出に涙してくださったと聞き、本当にお世話になったご恩返しはまだまだできてないけれど、少しは喜んでいただけることができた・・と、また涙の私でした。 毎日新聞の、陳舜臣先生の「海の世紀」エッセー(2月からしばらく休載中)を描かせていただいたことも、「活躍」の評価の中に含まれてるはず、 担当記者Kさんにも心から感謝、昨年のギャラリー島田での展覧会前に、大きく温かいメッセージで私への取材を載せてくださった阪神支局長Fさんにも感謝、先日阪急の個展を写真入りで載せてくださった「ほっと兵庫」編集長Yさんにも感謝・・・ そしてそして、いつもいつも私を励まし心配し、時にエールを送ってくださる皆さんに、心から感謝の気持ちでいっぱいです。 こんなどんくさい私が、こんな立派な賞を頂く奇跡に、励まされて元気を出して下さる方がいてくれたらいいなと思います。 最後に・・先日うちに来ていたとき、そっと知らせた父、今年もう84歳になる父がきっと心から喜んでくれてるだろうと思うと、ささやかな親孝行になっただろうか・・と。
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