2009.09.18 Friday
左手のピアニストと、NHKのアナウンサー
書こうと思いながら、はや1週間経ってしまいました。
先週土曜日、雨の中、神戸・ギャラリー島田での土曜サロンがありました。 普段は、火曜サロンとして、不定期ながら月2回くらい、ミニコンサートや講演や勉強会、ときには落語会などもされたりしているのですが、わたしは火曜は滋賀県のキャンパスへ教えに行っていて参加できないので、大学が休みの時や、たまにこうして土曜日などにサロンが開かれるときには、お手伝いも兼ねて、極力参加します。(子供の病気や父の入院やらがなければですが・・) 先週土曜の195回サロンは、 語りとピアノ演奏による怪談〜小泉八雲その深淵なるまなざし〜 智内威雄 & 今城和久(NHKアナウンサー) 神戸にもゆかりのある小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「怪談2」に触発され、魅了されたノルドグレン(フィンランド)が、左手のピアニスト舘野泉氏のために作曲した曲を、やはり左手のピアニスト智内威雄さんが弾き、八雲の怪談3つを、NHKアナウンサー今城さんが朗読するという、新しく面白い試み。 小泉八雲の本は小学校時代興味深く読んだことがあり、ただ怖いだけでなく、何か深い哀愁のような魅力があり好きでした。 今城さんは、毎日NHKの夕方の「ニュース神戸から」でキャスターを務めてられる方、見慣れたお顔、見慣れた声で、とてもすっきりと耳に響く朗読。 なんだかありありと情景さえ目に浮かぶような語りで小泉八雲の世界にひきこまれました。 (でも、終わったあとは、とても気さくな明るい方でした。) 智内さんは、なんだかとてもご縁を感じてしまうのですが、昨年9月のわたしの個展中に火曜サロンで演奏されて、つまり私の絵に囲まれた空間での演奏・・それがサロン出演としては2回目でらしたのですが、3回目にお会いしたのは、忘れもしない大ハプニングがあった今年の1.17コンサート。竹下景子さん詩の朗読と音楽のコンサートで、私の大作を舞台に飾って頂いたステージで、ボヤ騒ぎの避難のあと、何とか戻られた観客の心を癒したのが、智内さんのピアノ演奏でした。 つまりまた、私の絵の前で演奏して下さったわけで・・ その後、兵庫県立美術館のホールでの演奏もきかせていただき、今回で5回目。 順風満帆にピアニストの道を歩んでらした中で、突然のジストニア発症、右手が使えなくなるという大変な挫折、でも左手のピアニストのための曲に出会い、限られた左手のみだからこそ、曲の持つメッセージ性がより鮮明に伝えられる・・と、左手のみの演奏で「左手のピア二スト」として再スタート、でも聞いてる側は、とても片手とは思えない幅がある演奏をされるのです。 挫折を乗り越えての活動に、何か自分と重なる共感も感じてしまうのかもしれません。 そして、彼もまた、演奏後はとても明るく気さくなトーク。 同世代の今城アナウンサーと、とてもいいコンビネーションでした。 去年の個展でのサロン演奏時には、マネージャーだったK子さんが、奥さまになられたのも、うれしいことでした。 智内さんのお父様は、かの有名な画家の。智内京助さん(私たちの学生時代、宮尾登美子の「蔵」の装丁画などで一世を風靡されていました)なのですが、それを言ったら、個展中だった作家・松岡美子さんが、ミーハー状態で話しかけてられたのがほほえましかったです。 また、何か、ご縁がありそうな気がしています。 来年9月に、ギャラリー島田でしていただく予定の私の個展中に、またサロン演奏して下さることになったりして・・なるといいな・・。
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