YOKO'S SCENE

画家・井上よう子のNEWS。
陳舜臣氏からの電話に感激
大変なことが続いて、へとへとのところへ、思いがけない電話で元気を頂きました。
毎日新聞で連載エッセー「海の世紀」を月一回約1年半書き下ろされ、その挿絵を私が担当させていただいた、作家の陳舜臣氏。(一昨年、神戸大丸での「陳舜臣展」では、ミステリーから歴史小説までその著作の多さ、受賞の数々に、挿絵を担当しながら不勉強の自分を恥じました)
倒れられて・・でも、ゆっくりリハビリしていずれまた書かれるまで・・と昨年2月から休載となり、昨年3月の私の授賞式には、私からの受賞報告とお見舞いの便りに、できることなら出席したいとおっしゃってくださるほど喜んでくださっていたと、奥様からお手紙いただき感激したことでした。
「海」が何より好きだと言われた陳先生に、せめてものお見舞いに、海の絵を贈りたい・・まだ出歩くのが無理な先生に(高台マンションのお部屋からも海は見えるはずですが)デンマークで見てきた海と光と風を届けられたら・・と、ずっと思いながら、昨年はとうとうあまりの忙しさに流され・・年を越してやっと先日、「北欧の海風がさわやかにお部屋に流れますように・・」と小さな、透明水彩で淡く空と海を描いた作品を送ったのです。本当にやっと・・。
喜んで見てくださったらいいな・・、でも、海の絵はたくさん飾られてるのかもしれないと送ってよかったかちょっと不安になりながら・・
そして、息子の看病と仕事とでてんやわんやする中、送ったことも頭からすっ飛んでいたので、お電話で奥様が「神戸の陳です」とおっしゃったときには、一瞬ピントが合わず、その後あわてて恐縮しまくりました。
海の絵をとても喜んでくださっているということ・・そして、陳先生ご自身も代わられて、「海の絵をありがとう」と言ってくださって、もうじ〜んときてしまいました。

自分が大好きで描いた海の絵で、少しでも気分を癒していただけたなら、こんなうれしいことはありません。
ありがとうの電話に、こちらがありがたくて・・疲れ気味の心に元気をいただいたことでした。
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