2020.10.19 Monday
高橋源一郎さんの言葉の光
毎日新聞に「人生相談」というコーナーがあって、何人かの著名人が交代で、読者からの人生相談に応えてられるのですが、その中で、高橋源一郎さんが書かれる時の言葉には、いつも深く頷いてしまうのです。
昨日18日日曜のそれは、3年前に21歳の息子さんが自死された事から立ち直れずにいる52歳女性の相談に応えてのものでした。 『わたしの周りでも、何人もの、近しい人たちが、自ら死を選んできました。 そのたびに、考えたのです。いったいなぜ、彼らは死を選ばなけらばならなかったのか。 答えはないのだと思いました。 きっかけはあったかもしれない。でも、確固とした理由は、彼らにもわからなかったような気がします。 「死」が、暗く冷たいなにかが、「闇」が彼らを抱きしめた。「闇」に抱きしめられることを無上の安らぎと感じるほどに、彼らは、疲れ、傷ついていたのかもしれません。 そう思うようになって、決めたことがあります。現実の前で、私は無力だった。「闇」から、彼らを引き戻す事ができなかった。だから、せめて、少しでもいいから、「生」に、「光」の方に振り向いてもらえるような「ことば」の作り手になりたいと。 ・・・中略・・・ あなたの記憶の「光」の中で、生き続けさせてください。あなた自身もまた、「光」の中で。』 私も、遠い日に自死した姉への思い、そしてそういう自死した人への贖罪の思いを背負う人達、大切な人を突然失った人への思いが、絵に、光を描き出す事につながっている…光に(闇でなく、「生」に)向かってほしい… やはり、そういうことなのですね。
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