2010.01.21 Thursday
渚にて
これも三尾公三先生の作品「渚にて(D)」180×240cm 1975 三尾先生は、31歳の時に結核を患って、丹後由良海岸へ転地療養。何と1年余り、毎日海を眺め、貝殻を拾って過ごされたそう。 当時の結核は死の病…愛する妻子を京都に残し先の見えない毎日をどんな思いで過ごされたんだろう… そんな、毎日毎日、海を眺める中で、波が打ち寄せる砂浜にふと女の顔が浮かび…とこのシリーズを後年何枚も描かれたきっかけを話されていました。 女の顔とは…今思えば……京都芸大すぐそばの画材店で、病弱で出戻って来られてた10歳も年上の奥様と、まだ学生だった先生が恋に落ちて、結ばれて……でもすぐに戦争に行く事になり今生の別れと悲壮なお二人の写真を撮り、やっとやっと戻って中学美術の教師をしながら一人息子も生まれささやかな幸せな暮らしをされてた中での発病、また再びの別離……砂浜に浮かんだのは愛する奥様S子さんの顔だったのではないかと… 先生は語られなかったけど… 自分の限りある命を思う時、人は自分の一番大切な物が、本当に大切に思う存在が、見えるのでしょうか… 天命を知る歳になっても、まだまだ自分の生きかたはこれでいいのかと迷ってばかりの私… 今日は大学で、自分の絵の描き方に悩む中国からの留学生と、私の大学時代の悩みとかぶる部分もあって、真剣に話し…
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