2010.01.14 Thursday
三尾公三先生の展覧会のために…
2000年6月に亡くなられた、恩師・三尾公三先生の展覧会が、今年の11月に岐阜県美術館で開催が決まったと昨年末にお便り頂き、その遺作展の巡回展を引き受けてくれる美術館の相談を受けました。
亡くなった翌年に京都市美術館で遺作展開催されたので、京都では国立近代美術館や府立文化博物館でもまた開催するというのは難しいと聞いていましたし、今美術館が置かれる厳しい状況を身近に聞いている私…いったい何ができるだろうかと思い巡らせ…、でも今年末の展覧会の後の巡回でももう来春であれば大きな美術館では企画は決まって来ているはず、早く動かないと…と、年末から、よく知る美術館学芸員さん、チーフや館長クラスの方にメールをしたりお便り書いたりしてみています。 やはり来春は既に決まっている、でも東京近郊のこんな美術館もありますよと返信メールで学芸員ならではのアドバイス頂いたり有り難く…でも、まだ具体案がないまま、悩ましい…。 40年前のエアブラシに変わられた頃の作品も、今見ても全く古く感じられないし、亡くなる直前まで描きつづけられた「2次元と3次元のだまし絵」「甘美にミステリアスに…幻想空間」とか言われた三尾先生の作品は、あの小柄な体から考えられないほどの大作から、写真週刊誌「FOCUS」を格調高く見せた表紙絵・原画の沢山の小品まで、今の学生達にも見る機会がもっとあって欲しいと(国立国際美術館や兵庫県立美術館の収蔵品展示コーナーで1点ずつ見れたりはするのですが)切に思う私です。 学生にも凄く厳しかったけれど、ご自分に対してさらに厳しい方でした。 京都芸大時代、作品世界も人格も、心から尊敬できる先生に出会えた事、そして学部から大学院まで間近くお世話になり、卒業後も亡くなる直前まで、時にお会いしたり、大変な事が続いて会えない状況下で書いた手紙には、忙しい中あのくせのある芸術的直筆で(封筒の表書きを見ただけで差出人見なくてもわかりました)お便り下さったり… 幸せな事だったと本当に思います。 生前は心配ばかりおかけしたできの悪い教え子の私に、何とか力になれる事があればといいなと願いつつ… そして、熱が下がって出講した昨日の大学の授業。 三尾先生のような偉大な先生にはなれないけど、後ろから聞こえてきた学生の会話 「あんた何か今日は元気やん」 「うん!朝来て井上先生に一番に『おはよう!』って言ってもらったから」 に、ちょっとこちらも元気貰って…
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