2008.02.23 Saturday
美術館頑張れ!
木曜、美容院の後、兵庫県立美術館と芦屋市立美術博物館はしごして見てきました。 兵庫県立美術館は、「ムンク展」。ムンクは「叫び」が余りにも有名で、小さい子供でも、うちの3人の子供らも、あまり展覧会見に行かない学生も、「ムンクの叫び!」とか言って表情真似たりするので苦笑する事があります。でもムンクが、フリーズ(建築で、壁面への帯状に施す装飾)としての作品群を「生命のフリーズ」など熱心に考え、展示の仕方もアトリエで試行錯誤しながら深く考察していた事など、初めて知る人も多いのではないでしょうか。 今回はその辺に焦点を当てた展示になっているのですが、やはり作家としては興味深く拝見。 ただ、ムンクの作品全てに漂う不安感…幼い頃から身内の続く死、姉の精神の病に自分自身も精神の危うさを感じ続けた彼の揺れ動く空模様や海、時にとっぴな人とサロメの首の構成など、私が胸に重く感じる絵達も、面白がる子供達。もっと怖くてリアルに不安一杯な画像を見慣れているからかと気になったりします。 芦屋美術博物館では「ゆっくり生きる」展。 ホスピタルアートを橋渡しするNPOの代表でもある現代美術作家・森口ゆたかさんは、2人の娘さんのお母さんでもあり、価値感も共感でき、ホスピタルアート関連で何かと繋がっている人です。彼女のビデオインスタレーション空間に浸り、赤崎みまさんの写真、松井智恵さん(彼女も芸大1年下のテニス部員で懐かしい)のビデオも見てきました。久しぶりに芦屋美博らしい現代美術の企画。 けれど、来年どうなるかもわからない危機的状況の中、企画を立てていく学芸員達も運営するNPO・AMMも本当に大変な状況。経費節減にも限界があります。 兵庫県立美術館の方も、厳しい状況だと、言われていました。 日常空間から離れて、芸術作品に触れる事のできる美術館、先人の残した様々な作品だったり現代を映す作品だったり… そういう場所を大切にし、大人も子供も楽しみに出かけるデンマーク、日曜には無料で開放もする(あのルーブルでも)フランスやイタリアなど思い、殺伐とした事件の続く今の日本にこそ、芸術・文化を大切に育む、心の成熟が必要に思います。 子供らの図工の授業がどんどん減っていく事や、美術館への公の予算削減はおかしい…と。
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