YOKO'S SCENE

画家・井上よう子のNEWS。
陳舜臣先生を偲びました
昨日は、陳舜臣アジア文藝館グランドオープンとお別れの会に参加、1月に亡くなられた陳先生を偲びました。
2006年9月から2008年1月に倒れられるまでの連載エッセー「海の世紀にて」挿絵を担当させて頂いた事は、私の画家人生の中でもとても大きなことであったと思います。
この会に合わせ展示の挿絵原画(芸大大先輩の日本画家・畠中氏の絵も)を見に入ったギャラリー室入口すぐ右手壁面にあった水彩画に「えっ?」しばし立ち尽くしました。
名前もタイトルもなしに飾られてた3号ほどの大きさのその絵は、倒れてベッドの日々になり大好きな海が見られない先生のために(住吉の高台のご自宅も窓から海が見渡せるから選んだと言われてた)、せめて絵で見て頂けたらと海と空と海鳥だけ描いて送った私の水彩画でした。
「とても喜んで、あなたの絵の海を眺めています」とまだお元気だった(先に亡くなられた)奥様が弾む声で電話してこられたのを思い出し、胸が熱くなりました。
息子の立人さんが見つけ出し持ってきた下さったようで、飾って頂いて嬉しいですとお礼申し上げたら、逆にお礼言われ、心に温かい物が流れました。

そこからホテルオークラでの偲ぶ会へ。
発起人の一人作家の浅田次郎氏が挨拶されたり、やはり発起人の筒井康隆氏・王貞治氏・田辺聖子氏らのお手紙が読まれ、陳先生のお人柄が偲ばれました。阪神大震災の後には愛する神戸の為、神戸の方々へ呼びかけられた先生の神戸新聞寄稿の言葉にどんなに励まされたかの方々の言葉、神戸市長・兵庫県知事も献花されて、その存在の大きさを思いました。
心からご冥福を祈りつつ、父の病院へと走った昨日でした。
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