2013.02.24 Sunday
祈り…
昨日、昨年亡くなられた松村光秀さんの「偲ぶ会」が神戸・ギャラリー島田でありました。 揺るぎない描写力に裏打ちされた自画像が、昨年夏ミニアチュール展に来られた時のそれから間もなく亡くなられるとは思わなかった穏やかな姿と重なって、松村先生ご自身がそこにおられるようでした。 3時過ぎ、集まられた人達の前で、銀閣寺の花師・佐野玉緒さん(私が海文堂ギャラリーで初めて個展させて頂いた頃はギャラリースタッフでらして、今は国内外でも呼ばれて花を手向ける一流の花方の道を歩んでおられます)が花を生け、野中久美子さんが能管を吹く… ピンと張り詰めた空気、佐野さんが凛と背筋伸ばし花の余分な葉や枝を払う花鋏やナタの音、野中さんの時に空を切り裂くかの笛の音… 私はギャラリーであんなにもひとつになって祈りを捧げる光景を初めて見た気がします。 松村先生は、遠い過去、京都の住まいが火事にみまわれ、家と共に愛する奥様と子供さん3人を一度に亡くされた…そんな壮絶な悲しい体験された事を私が知ったのは、ギャラリーで時々お話するようになって大分経ってからの事でした。 一人生き残ったお嬢さんとギャラリーに来られお話する時は、いつもとても穏やかな松村先生でした。悲しみに満ちた過酷な体験はもちろんないほうがよいのだけれど、人を深く深くし、作品も高めるのでしょう… 展覧会は27日までギャラリー島田で開催されています。 (神戸・元町、ギャラリー歩歩琳堂でも27日まで。沖縄佐喜眞美術館での展覧会は3月13日から4月29日まで)
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