2006.08.18 Friday
時間と場所は自分で作りだす物
制作を促すと「時間と場所がない」と言う学生や卒業生がいます。かつて芸大生だった頃、それは卒業後皆が頭を悩ます事でもありました。ある日恩師で世界的に活躍し巨大な作品を制作されてた三尾公三先生が、芸大に来られるまでの中学教師時代は、六畳一間に親子3人で寝る住まいで制作もこなすため、天井に滑車を付けて、寝る時には絵を天井にガラガラと引き上げてフトンをしいたというエピソードを伝え聞き、そんな事もできるんだ!と、そしてあんな偉大な先生もそんな努力を重ねて来られたんだとまた尊敬してしまいました。時間と場所は簡単に与えられる物ではなく、工夫と努力で自分で作り出す物なんですね。家族が寝静まってからリビングの食卓に広げたり自宅の小さなアトリエスペースをやりくりして画材を移動させながら小・中品は制作、大作は大学の春休みや夏休みの中の何日かの入れる日に前もって集中してパネル作りや下塗りなど何度か車で往復してこなしてきたけれど(展覧会での大作を前に大きなアトリエをお持ちなんでしょうねとよく言われますが・・・それは憧れ)、今年は8
月全く制作室に入れないため、先日来、小さなスペースでいかに大きな作品を作るか四苦八苦しながら、断片の時間を繋ぎあわせつつ制作奮闘中です。 |