2009.07.26 Sunday
「人を大切に想う気持ち」が伝わるレクチャー
水曜日、以前お知らせしたYUKO TAKADA KELLER(高田ケラー有子)の講演会に、1時まえ大学授業を終え、急いでさくら夙川駅へ行って飛び乗り、尼崎で東西線に乗り換え約1時間半、同志社大前駅で降り坂道を登り、同志社女子大学・京田辺キャンパスまで行ってきました。
1.作品の背景 2.デンマークでの活動 3.人々の意識 4.生活の中のアート 5.幸福度世界一の社会 項目ごとに、実にわかりやすく、かつ1時間半ぴったりに盛りだくさんの内容をちゃんと語り終える見事にプロなレクチャー。 彼女のレクチャーは何度か聞いてきているけれど、聞いたことのある、作品の背景からデンマークの活動へいたるまでや、デンマークでの人々と彼女の作品との感動のエピソードの数々にも、またあらためて感動し・・ あらたに加えられた、一昨年の彼女のベルギーでの大きな会場での展覧会の動画は、3次元空間での彼女の作品の美しさや、スケールの大きさを実感させてくれたし、彼女がキュレート(企画)しトヨタ財団など助成を受けて実現した日本人作家数人を招いての大きな展覧会に、女王陛下が見に来てくださって彼女が案内したときの、平らなデンマークらしい女王陛下とのやりとりとやはり美しいその会場の画像、昨年夏の、思い出深い私たち3人YUKO&YUKIKO&YOKO=Y3のヤパンスケビンデ2展の会場風景動画も、思わずジーンときながら見入っていました・・・ 彼女が住むデンマークは、先進諸国が軒並み減り続けている出生率が、唯一増えていってるという、そして国民が世界一幸福度を感じているという調査結果もある国、地理的に山がない平らな国であり、人々の意識も平らであるという・・ 税金はびっくりするほど高い(消費税25%!所得税45%!)けれど、それが自分たちのために使われているという納得があるから暴動も起こらない・・医療費も無料、子供たちの学費も大学まで無料、老後も保障されてるから人々はお金持ちになる必要はないし、必死で働こうとせずに暮らしを楽しむ。。 お父さん達も残業などなく5時に仕事を終えて、6時には帰宅、家族と夕食をゆったり楽しむし、男女平等の意識がずっと受け継がれていて、子どもが生まれたときには男性も育児休暇が2〜3週間あり(とるのが当然で、とらなければ、取らせない上司が責められる)新生児から父親が世話するので、子育ての大変さも共有するし、食事作りなども、母親が月水金、父親が火木土など分担しあうという、日本女性にはうらやましい限りの(まだまだ同じように共働きしていても、母親の負担が大きいし・・)話しに、私の前で聞いて熱心にメモしていた女子学生が「よし!絶対行くぞ〜、デンマーク!」 (旅行者としては自由にいけるけれど、移住するのは今は大変難しくなってきてるようですが・・) 選挙の投票率は80%を超え、その高い支持で選ばれた政治家の汚職などはなく、色々な面で今の日本に見習ってもらいたいことが多々あるのですが、今の日本に対しての質問には、YUKOは「人口がデンマークは547万人、だからまとめられるというのがある、日本はそれにくらべて人口ものすごく多いわけで、地方分権とかにしないとなかなか変えていけないのじゃないかな」 「ヒュッゲ」という、日本語にも英語にもぴったりした訳はないという、デンマーク特有の言葉・・・楽しい・心地よい・気持ちいい・・そういう感覚を大事に、生活の場でも、ギャラリーでの展示のときも、人をもてなし、自分たちも楽しむ・・その温かい心地よさに何度も感動してしまった私なのですが、 人を大切に想う気持ちがどこででも息づいていて、ベビーカーや車いすが不便なく道でも、店内でも(数段の段差にも、スロープや自動リフトが必ずあるし、電車には大きなベビーカーも車いすも自転車でもそのまま乗れる)行き来できる・・・ 人のあるべき暮らしを見る思い・・ そういう、人を大切にする思いが伝わるレクチャーでした。 JMM(村上龍事務所配信のメールマガジン)に定期的に配信されるYUKOの文章のファンであるという方が、別々に2人も東京からわざわざ来られていたり、彼女が日本にいたころ、成安短大で助教授していたころの教え子さんらがかけつけていたりで、レクチャー後熱意あふれる質問に立たれていました。 このレクチャーを実現してくれた、同志社女子大情報メディア学科教授の森公一先生は、私の高校時代の同級生(この2月の同級生の悲しい葬儀で再会し、式後に親しいみんなでお茶のんだときに、このレクチャーを提案、でもその後、父の入院などでバタバタが続き私は動けず、YUKO本人が直接連絡取り合ったりで実現の運びに・・)、そして同時にYUKOの成安短大時代の若手精鋭同志の同僚先生だったのでした。 リスペクトしあう、人と人とのつながりが、何かを生み出す・・そんな気もしたことでした。
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