YOKO'S SCENE

画家・井上よう子のNEWS。
「言葉に書けないことを書きたい」・・小川洋子さん
昨日は、京都市美術館でのGe展最終日でした。
朝から出て、別のやはり最終日のアートフェア―にちょっと寄って、1時から片づけ始める4時まで、美術館に詰めていました。
会期中、忙しい時間を割いて見に来て下さった沢山の方々に感謝・・
ありがとうございました。

最終日は、結構駆け込みで来館者が増えるのですが、昨日も、ギャラリー関係の方や、作家さんやら、一般の方やら・・忙しい中何とか時間を作って来てくれた友人を案内する間にも、次々声かけて頂いて、あっち向いたりこっち向いたりしながら、あいさつしたり作品解説したりしていました。

4時からの撤去作業は、自分の作品を壁からおろして梱包して・・だけでなく、搬入には来れていたけど遠方で搬出には来れないとか、体の具合が悪くて来れない方などあって、そういう方々の作品を美術運送に託すことも来ているメンバーでやるので、なかなか大変な作業でした。教え子や、奥さんやら色々な助っ人を頼まれてたりもして・・で、皆さん、大作だったり、変形パネルをビスでつないでの複雑な作品もあって、おろしてばらして梱包して・・が結構手間取り、美術館が閉まってしまう(公立のお役所仕事できっちりしてはります)5時までにとにかく外へ、美術運送のトラック前まで運び出す作業もなかなかの力仕事でした。

そんな体力仕事の後だし、「ビールでも飲みに・・」と、打ち上げにGeの大先輩グループやら、別に仲良くさせていただいてる作家さんと教え子さんグループからも誘われて、それもかなり心が動きつつ、今日の大学授業が一番忙しい終日大人数なうえに、GW明け初授業で、モチーフのリンゴなど沢山朝早くから車に積み込んで運ばねばならないのもあって、申し訳ないけれどお断りして、帰ってきました。

その、行き帰りの電車で、先日やはりGe展見に来てくれた友人に連れて行ってもらった三月書房(知る人ぞ知る、一見古本屋のような、頑固一徹な店主の趣味で取り揃えた本ばかりが並ぶ書店)で購入した、小川洋子さんの「海」という新潮文庫の本を読んでいました。
小川洋子さんは、ちょうど私が次女を妊娠していた時期に「妊娠カレンダー」で芥川賞を取られ、私はその文章に、さらりとした文章の裏に、ちょっとぞくっとするような、はっきり書かれているわけではないけど、深い意味を感じさせるところに、とても惹かれたのでした。
「博士の愛した数式」が映画化もされて有名ですね。

先日書いた、長谷川等伯の、「描かずにあらわす」・・・も、私が模索し続けるものであり、小川洋子さんの文章・・「いかにして、自然な形で、言葉を発しないものを物語の中に置こうかといつも考えています。
言葉に書けないことを書きたい、と常に思っているからかもしれません。」にも、強く惹かれます。

と、ここまで書いて、自分は、作品世界では、そうやってとにかく行間の余韻というか、描きすぎずに、あるいは描かずに・・・、見る人がそれぞれにイメージやストーリーを思ってくれたらいい・・と思いながら、日常では、今日も大事な友人からのメールに、「それはどういう意味ですか?」的に、白黒はっきりさせてしまう・・矛盾してるなあ・・と思ったことでした。

幼い日々、ガキ大将的男の子達にいじめられそうになるひとつ年下の男の子をいつも守って?あげていて、大学時代の初個展に母からの案内できてくれたその子のお母さんが、「よう子ちゃんは、本当に正義感が強くて潔くて、竹をわったような性格だったわね」と、とても女の子へのほめ言葉とは思えない(普通男の子に言う言葉ですね)賛辞?を頂いたことも、ふと思い出したりして・・・

ある意味やっかいな人ですね。
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