YOKO'S SCENE

画家・井上よう子のNEWS。
青の中での尊厳

もうすぐギャラリー島田2021特別企画「エポック・ノック」展に出品の作品を額装、オンラインでも公開されるので、画像をギャラリーに送りました。
「Dignity in blue (青の中での尊厳)」M4号変形です。

毎日けなげに海風に揺れながら咲いてくれるブルーデージーに、澄んだ空の青だとのその色に、癒されて…それを、空と海のブルーと光に重ねて描いてみよう…そう思って描いていた先週、哀しい報せが届きました。
ステージ4の癌を抱えながら、頑張ってられた毎日新聞学芸部記者/三輪晴美さんの訃報。
出会ったのは7年前。白石一文さんが神戸が舞台の小説「神秘」を毎日新聞に連載されていた時担当編集者だった晴美さんは、その出版記念サイン会で白石さんと並び座っていて、白石さんからの紹介でした。
亡き母と同じ名前であった事、癌を抱えてらした事、そして何よりその笑顔に最初から波長が合い、その後個展に来てくれたり、一緒に食事に行って飲んだり…。「癌ステージ4の現場から」、との記事を書かれたりの一方で、美術担当にもなって、私にも色々とたずねられたり、週一回芸術面に晴美さんの書いた記事が載ると、楽しみに拝読したりしていました。
つい先々月も、も少し落ち着いたらまた美味しい物食べに行きましょうと、どこがいいかしら?とメールやり取りしていたのです。
病の重篤さから、いつかこういう日が、そう遠くなく来ることは覚悟していたけれど、訃報を受け取った日は涙が止まりませんでした。いつも会うと笑顔で、病気の事は気にしないでと。
晴美さん、天国でまた一緒にワインを飲みましょう。
今までありがとう。
この絵の、光に向かう白い鳥に、あなたへの想いを重ねています。
| - | 19:36 | comments(0) | - |
カフェの物語
次女のカフェLokkiがオープンして1か月半。
緊急事態宣言下、座席も減らし、消毒もこまめに‥色々気をつけながらですし、人通りもGW後減ってるかな、、心配は絶えませんが、ゆるやかに毎日、密にならないよい感じにお客様に来て頂いているようです。
私は、大学授業のない日のランチタイムだけ手伝ったり、授業後にアトリエ走る前に夕方寄ったり・・・くらいですが、常連になって下さってきてる方もちらほら。。ありがたいことです。
友人、知人、娘の恩師も応援しに来てくれてうれしく感謝しながら、知らなかった人がたまたま入って、また来たいと言って来てくれたり、近所から何度も来て下さるようになった帽子デザイナーとして活躍されてきたらしい老婦人、若い頃はイエメンやインドネシアや海外にも出かけてそこで働く人や子供たちを撮って来たとの写真家の老紳士、それぞれに自分の人生を少しずつ娘に語られて・・・何も語られないけど、週に一度必ずお弁当を買いに来てくれる女性….ガーデニングされてるとの女性は3回目の来訪にミントの葉っぱ(娘がデザートに添えてるので)を持参下さって…その方も色々なこれまでがあって…
カフェには、色々な人の人生が交錯し、いろいろな物語が生まれる…そんな事を実感しています。
| - | 00:15 | - | - |
言葉の大切さ
緊急事態宣言が延長になり、大学の授業も非対面オンラインでが延長になりました。
実技を教える授業は、メールでの画像やり取り、ZOOMミーティングも組み入れながらも、やはり目の前に作品を見ながらアドバイス・実際に描いて見せる・顔の表情や反応を見ながら対面で話すのに比べたら、伝わる事が半減…いやそれ以下になる気がして歯がゆく、、でも、変異株ウイルスが急速に広がっている(そして若い人が重症化している)ニュース報道に、今しばらくは何とかこの授業形態で、できる限りのことをやっていくしかないのかなと、頑張っています。

そんな、学生とのメールやり取りに追われる毎日の中、ちょっとした言葉が気になったり、こちらが発する言葉にも、誤解がないように気をつけたり、顔を合わせない日が続く中、言葉の大切さをまた痛感しています。
大学へ来ないで家での授業になると、ずっとこもりきりで気持ちが沈むと言った学生には、思わず授業とは関係ないけど、「窓を開け、空を見上げて深呼吸してみて」と返信したり。。。
学生とではないですが、娘の店に立っているときに、一人で来られた方へのさりげない声掛けから、その方が身の上話を語り出されたり…
一昨年の個展を「言葉がくれたもの」というサブタイトルにしたのも、私自身が永年「言葉」に助けられたり心動かされて創作に向かえてきたからで…(ただ、うっかり者の私は、いらんこと言ってしまう事も多くて、よく反省もするのですが)

言葉の大切さを、しみじみ思いながら、

「そっと 静かに 本をめくるようにして その人の心に向き合ったのかもしれない」詩人・和合亮一さんの「言葉」を、思い出していました。

| - | 23:29 | comments(0) | - |
澄んだ空の青…ブルーデージーの花
5月になりました。
新緑の季節も、何だか色々に心配しながらですが、
毎朝ささやかに楽しみにしてることがあります。
カーテンをあけたら、あ、また今日も増えてる・・・
ブルーの小さな花が、1輪、また1輪と、咲いてくれて、、、
ほんとに小さな花が、海風に揺れて・・・けなげな姿に毎朝励まされているのです。
昨年12月の神戸の個展に、竹下景子さんが送って下さった鉢には、他の白い花とともに寄せ植えされていて、一旦は全部枯れたのでしたが、寒い間はリビングに入れ、時々様子見ながら水やりをし、暖かくなってきてからベランダに出して太陽にもあてて…そうするうち、緑の葉っぱだけながら少し新しい葉も出て元気が出てきて、、
ある日、もう、諦めていたのに、朝カーテンを開けたら、小さな小さなブルーの花が1輪咲いていました。
思わず娘にも、「見て!咲いてる!」
本当にすぐに微風にも折れてしまいそうな細い茎に小さな花…
娘の出店も、本当に心配で、長女宅も心配な事が重なって、親友も心配な状況でいた時で、何だか皆にエールを送ってくれてるように感じたのです。
ブルーデージーは「澄んだ空の青」なんだそう。綺麗なブルーで、
それから毎朝1本、また1本と増えて行き、最初は数本で1週間で終わるかと思ったのが、まだまだ咲いていってくれてるので、娘の店lokkiにも少し持って行ってガラスのコップに挿しました。
喪失と再生の色ブルー、「澄んだ空の青」のブルーデージーを、毎朝見つめて…今の社会状況が少しでもよくなるようにと祈っています。

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