YOKO'S SCENE

画家・井上よう子のNEWS。
1.17
昨日から、28年目の阪神・淡路大震災慰霊行事があちこちで行われました。今日は大学で昼休みに犠牲者追悼式があり、ぎりぎり授業終えエントランスにかけつけ黙祷。午後の授業では、震災時まだ生まれてない学生達に、この大学も本館1階が倒壊し、今いるアトリエ棟も横の壁が崩れ落ちた事、阪急の線路が落ちて半年不通になり、電車通学者は先に復旧した阪神電車使うしかなかったこと、大学周辺、この窓から見える一帯も倒壊し風景が変わってしまった事、私が教える学部でないけれど、犠牲になった学生もいた事…など話しました。
あの時の卒業生は、卒業制作展も吹っ飛び…下宿から命からがら実家へ戻ったものの長らく辛い思いを抱えていたと、経験したあの日を話す事すら辛かったという事を、数年前に再会した教え子から聞きました…

我が家は当時は大阪府下だったけれど、それでも経験した事のない揺れ、玄関扉横の分厚いガラスが割れ、天井の電灯が今にも落ちそうに揺れる下で2段ベッドで泣き叫ぶ小さな子供達に布団をかぶりなさい!と叫びながら隣室から駆け寄って覆い被った日のことは忘れない。
そして、暫く、絵描きなんて、こんな大災害が起こると、何の役にも立てない…落ち込んだ…そんな中、今のギャラリー島田の前身・海文堂ギャラリーの島田社長から「チャリティー展をする、絵を持って来れますか?」の電話。自分の絵が役に立つ…こちらが元気を貰う思いで、電車もまだ分断の、ひび割れた道を、ガラガラと絵を2枚引っ張りながら長く歩いて元町の海文堂ギャラリーへ運んだ…そしてその絵を、心が癒されるとすぐに買って行った方があった事を聞いて、涙…また絵を描き続けようと思えたのでした。

今、手伝う地元の防災/減災を考える実行委員会(先日の日曜も会議でした)では、実際に震災で避難所に行かれた方の話も聞いたりしています。

去来する色々な思いを胸に、今日も大学の帰途アトリエへ。描きかけの絵、祈る様に加筆したのでした。
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