YOKO'S SCENE

画家・井上よう子のNEWS。
遠い日の想いから ホスピタルアートへ
私が初めてホスピタルアートという言葉に出会ったのは、32年前、母が余命3か月の宣告を受け、もう助けられる手段は無いとの絶望の日々の中で、せめてお腹の中で育ちつつある長女が生まれる日まで延命できる何かを模索し仕事と病院へ行った帰りに書店で本を読みあさっていた時でした。
アメリカやイギリスでは、病院にも芸術作品を展示したり、絵を描くアトリエがあって、そういうホスピタルアートの取り組みは、緩和ケア‐として、延命の効果ももたらしているとあり、その後もう重篤な状態になった母には(そして私も無理がたたって切迫早産で入院し)かなわなかったけれど、自分が関わっている絵を描く仕事が、あの毎日見つめ続けた病院の寒々とした壁にも、患者さんや病院にいる人たちの心にも、役立てることがあるかもしれないとの思いは、自分がその後どんなに過酷な状況下になっても、絵を描き続けたいと思える力の元にもなってきたように思います。
そんな思いををギャラリー島田の島田さんにも伝えたり、個人的に知り合いの病院に請われて設置したり、今、頑張ってられるアーツプロジェクトさんがNPO法人として立ち上げの時には、亡き木村重信先生らとともに賛同人に名を連ねたり…そのアーツプロジェクトのディレクター森合音さんが担当された四国の病院のホスピタルアートには沢山の作家さんと共に指名頂いて数点の絵で参加させて頂くなど、ささやかに関わらせて頂いてきました。

昨日、クッキングパパの漫画家うえやまとち先生(大手前大学客員教授)から、もうずいぶん前に九州・久留米医大病院に収蔵設置頂いた私の100号と50号作品を見つけたと、ともに写った画像と嬉しいお便りが届き、もう感激するとともに、そんな色々な事が思い出されていました…
「…い〜い絵ですね!白と青のスーッキリした色使い、外来できたボクたち患者の不安や弱気をすっきりとした気持ちにさせてくれます。・・・」
今も大切に飾って頂いていて、患者さんらの心に少しでも役に立てているならこんな嬉しいことはありません。じんと来ながら拝読、締め切りに追われるお忙しい中わざわざ報告下さったうえやまとち先生に感謝。

*現在、神戸三宮のセンタープラザ東館2階ギャラリーあじさい新春展に、10号と3号を出品中、明日までです。
*そして、同じく神戸三宮北のギャラリー島田コレクション展「人間・風景・記憶・旅」に、「ゆくべき道をさがして」シリーズ青いデンマークの雪原の絵を飾って下さってます。30日まで。

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